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竹内 末広
Proc. of 8th Int. Conf. on Heavy Ion Accelerator Technology, p.244 - 251, 1999/00
独立位相可変型リニアックに用いられている1/4波長型加速空洞は最適入射速度の約半分の速度に転移速度が在り転移速度より速い入射荷電粒子は加速され(通常の加速領域)、遅い入射粒子は減速を受ける。ただし、遅い粒子も空洞の高周波と入射粒子ビーム間の相対的な位相を反転することによって原理的には加速が可能である。そこで同型の加速空洞多数から成る独立位相可変型リニアックで転移速度を通過する荷電粒子の加速が可能であるか否かを調べた。Runge-Kutta法による数値計算によって運動方程式を解き結果を得た。計算はおもにClイオンについて行っている。加速電界が強いと転移速度において位相が180度離れた2つの範囲で加速が起こることがわかり、これを利用して加速を継続することができることを示した。
竹内 末広
Proc. of 22nd Linear Accelerator Meeting in Japan, p.311 - 313, 1997/00
原研タンデムブースターは最適入射速度が0.1cの1/4波長型超電導加速空洞を40台用いた独立位相可変型リニアックで、入射速度の下限は0.05cである(c=光度)。0.05c付近の低速領域では空洞の中で加速のみならず減速をも受けるため、速度変化を考慮して通過時間因子=0付近(0.05c付近)でのエネルギー利得、速度増分を計算した結果、同期位相を変えることによって加速と減速が反転する入射速度が変化することがわかった。これを利用すると通過時間因子が負の低速領域なら通過時間因子=0の線を越えて通過時間因子が正の通常加速範囲まで加速が可能であることを示した。ただし、加速効率は極めて低い。加速効率は加速電界に比例するため、加速電界をできるだけ高く(5MV/m以上)する必要がある。計算では塩素イオン(Cl)を用いた。